October 20, 2016, 10:58 am
ストーリーを直接伝えたい 飲食やヨガなどでコミュニケーション
エシカル(倫理的な)ファッションや雑貨のブランドは、期間限定店やECで販売することが多く、実際に見たり触れたりできる機会は少なかった。ただ、物作りへの思いや商品の背景にあるストーリーを消費者に直接伝えたいと、実店舗の出店を模索しているブランドは多い。今年、飲食店との複合型で東京に二つのエシカルブランドのショップがオープンした。
■ヴィーガニ―+トゥルーベリー
![エシカルの衣食住を提案するトゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー]()
エシカルの衣食住を提案するトゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー
東京・表参道に7月にオープンしたのが「トゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー」。人や動物、伝統的な物作りを守ることをコンセプトに、インドのフェアトレード団体などと物作りをするエシカルブランドのヴィーガニーが、国産の無農薬野菜や果物を使ったコールドプレスジュースなどを出すトゥルーベリーと初の店舗を出した。トゥルーベリーは広尾と中目黒に店があり、3店目。「衣や住のエシカルの入り口として『食のエシカル』に可能性を感じた」(竹迫千晶ヴィーガニー代表)、「原料や生産者にまでこだわる点が共通している」(西村直子トゥルーベリー代表)という2人が意気投合し、表参道店の出店につながった。
来店客の9割が女性で、年齢層は30~40代が中心。トゥルーベリーを知っていて来店する人が多いが、店内に並ぶヴィーガニーの手刺繍のバッグやポーチ、竹迫代表がセレクトしたエシカルコスメを見て、商品の背景を知り、購入する人が増えているという。
エシカル商品は2カ月ごとに入れ替える期間限定ブランドもあり、リピーターにも新しい発見を提供している。「表参道はファッションやナチュラル系雑貨などに敏感な大人の女性が集まる場所なので、発信地としてはまたとない場所」(竹迫代表)と、今後、エシカルやオーガニックなどをテーマにワークショップを開いて新規ファンの獲得につなげていく。
■インヒールズ+リブラ
![店内でヨガイベントや顧客を招いたパーティーなど様々なイベントを催しているチャンネルゼロワン]()
店内でヨガイベントや顧客を招いたパーティーなど様々なイベントを催しているチャンネルゼロワン
ロンドンと東京を拠点にセクシーでクールなエシカルファッションを発信する「インヒールズ」と、オーガニック綿をメイン素材にカラフルでポップな服や下着を作る「リブラ」が、コーヒー専門店アンソロップ・エスプレッソ&ビブリオと共同で9月、東京・下北沢にオープンしたコンセプト店が「チャンネルゼロワン」。ショップ名には「新しい時代にチャンネルを合わせ、ゼロからイチを生み出す場所」(岡田有加インヒールズ共同代表)という意味を込めた。
物販だけでなく、ヨガイベントやブランドのファンを招いたパーティーなど、実店舗ならではのイベントを開いている。今後も同様のコンセプトで物作りをする他ブランドの展示会や受注会、映画上映、ワークショップなどを開き、サステイナブルな次世代カルチャーの発信基地として活用していく。物販ではインヒールズとリブラを中心に、他のエシカルブランドや古着も販売している。
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October 23, 2016, 2:04 pm
オーダー中心の婦人服企画製造販売、キサクリエーションズ(兵庫県篠山市、莵原妃佐代表)は地元、篠山市の商店街に、「女性の美と健康」を掲げる複合ショップ「
美庵」を開いた。地元の人だけでなく、観光客も対象とし、「また来たい」と思われる店作りを目指し、人通りの少ない商店街の活性化もテーマにしている。
![商店街の築150年の古民家を活用]()
商店街の築150年の古民家を活用
兵庫県中東部にある篠山市は食と農の町として知られ、多くの観光客が訪れる。莵原さんは20年ほど前から篠山市に拠点を置き、デザイナーとして活動している。市の中心商店街にある築150年の古民家を借りることになり、女性が美しく、健康になる館を作ろうと考えた。いろいろな要素を加えるため、アロマグッズやフェイクグリーンなどの雑貨を扱う「ミモザ」の店主、前田智恵さんに声を掛け、入居してもらうことにした。
ショップは小分けすることなく、ふらりと自由に見られる構成にしている。莵原さんが手掛けるオーダー婦人服は、ウェディングドレスからデイリーユースのものまで幅広い。お直しやリメイクにも対応する。奥の和室にサンプル室とアトリエがあり、縫製するところを垣間見られる。ショップで洋裁教室を開くことも計画している。
前田さんが担当する雑貨のミモザは、癒やしをテーマにする。初心者が手を出しやすい価格のアロマグッズ、忙しい女性も楽しめるフェイクグリーンやドライフラワーを揃える。アクセサリーはガラス素材の「H・G・F」、ママさん作家による「メグリ」など一点物を置いている。
![和室にあるオーダー婦人服のサンプル室]()
和室にあるオーダー婦人服のサンプル室
ショップにはまだ空きスペースがある。今後、1階には食材にこだわった飲食店を開く。2階は洋裁教室のほか、作家を呼んでのアクセサリーのワークショップ、ハーブや整理・収納の教室なども開く。莵原さんは「将来は自分のブランドの服も作りたい」と意気込んでいる。
![オーダー婦人服の莵原さん(右)と雑貨「ミモザ」を担当する前田さん]()
オーダー婦人服の莵原さん(右)と雑貨「ミモザ」を担当する前田さん
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October 25, 2016, 2:31 pm
タイタン・アート、コミッション方式で初期費用を抑え
グラフィック、プロダクトデザインなどのタイタン・アート(大阪)は、無料でパッケージやラベルをデザインするサービス「パケフリ」を始めた。パッケージデザインにあまり費用をかけられない中小企業などを対象に、デザインコミッション(手数料)方式をとる。
同社によると通常、初回パッケージデザイン料は10万~100万円かかるという。パケフリはこれを無料にすることで、初期費用を抑えられるのが特徴。発注側は売り上げに応じてデザイン費用を経費として支払う。費用は商品の小売価格の2%×売り上げ個数とする。
想定している企業は町工場、地域の特産品メーカー、アパレル・雑貨関連メーカーなどとする。デザインは2~4週間で提案し、売るための方策も一緒に考えるとしている。
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October 26, 2016, 2:46 pm
創業60周年記念で特別企画
インポート専門ブティック、フクハラ(大阪市)は11月、創業60周年を迎え、心斎橋の店舗で特別イベントを開く。「店ですごすことに喜びを感じられる」仕掛けを揃え、わざわざ足を運びたくなる点を重視したという。
フクハラは1956年大阪・久宝寺丼池通りに輸入品小売店として創業。その後、現在地の心斎橋に移転。直接買い付けのインポート商品だけで構成するブティックとして今日に至っている。
イベントではテラスを「フクハラカフェ」とし、コーヒーなどを無料で提供する。創業時は5階に顧客向けバーカウンターがあり、一番人気だった生絞りのグレープフルーツを炭酸で割ったスカッシュを復活させる。
店内では、フクハラの人物、売り場の変遷などを写真で展示する。創業者で現在もオーナーの福原芳子社長が開店することになった理由、フクハラのルーツ、上田安子服飾専門学校時代の作品、当時としては珍しかったディスプレーなどをアーカイブとして展示する。
人形型アクセサリーのワークショップも開く。洋服を選んでもらい、ネックレスやバッグチャームに仕上げるもの。1階の大テーブルで開いて、華やかさを演出する。創業来初めてオリジナル商品も発売する。フクハラのロゴワッペンなどをあしらったフェルトのバッグを数量限定で販売する。価格は4600円の予定。
カフェでは福原貴代美専務が給仕を担当、ワークショップは福原社長が準備する。手作りで顧客に感謝の気持ちを伝えたいとしている。
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October 27, 2016, 2:06 pm
ファッション企業向けのコンサルティング事業などを行う
トライピボット(東京)は、今秋冬物からオリジナルレディスブランド「プラストーク」を立ち上げた。既存事業のノウハウを生かしながらも、山形産地で作ったデザイン性のあるニットウェアなど、ファッション好きの女性に響く商品を提案する。
プラストークの商品はニット、カットソーが中心。ほとんどが日本製で、ニットは山形で作っている。17年春夏物のジップアップのブルゾン(4万8000円)は、ぼこぼことした表面感が特徴のラーベン編み。1着に何時間もかかる編み方という。切り替え部分は、見た目やフィット感が良いようリンキングで処理している。ほかにも、ニットのフリンジスカート(2万9000円)、編み組織でボーダー柄を表現したカーディガン、裾のデザインをアシンメトリーにしたノースリーブトップなど。モード感のある個性的なアイテムが多い。対象はノンエージ。
これまでもコンサルティング業務の一環で商品企画に関わることはあったが、オリジナルブランドは初めて。「レディス市場は、トレンド追求による同質化や価格競争で苦しんでいる。今のファッションビジネスの仕組みから離れて、少規模でもいいのでモノをベースにしたブランドを作りたかった。本当に服が好きな人はいるはず」と同社。安い商品ではないが、編みの技術や人件費を考えれば「決して高くない。プラストークが、日本の技術者を守る力になれば」。
販路は、個店の専門店や百貨店への卸販売。ブランドサイトを開設し、ECも始める予定だ。将来的に単独の実店舗を出す場合は、路面を想定する。卸し先からの評判も上々で、「人々のライフスタイルの中で、少しでも洋服の位置づけを上げたい」という。
![山形のニット産地をはじめ、現在はほとんどが日本製]()
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October 30, 2016, 2:35 pm
がんサバイバーの元バイヤーが起業したトキメクジャパン塩崎良子さん 若年性乳がんをサバイブした女性経営者が新事業を立ち上げた。自身の経験を踏まえて考案した、おしゃれなお見舞いギフトボックスがそれ。代表の塩崎良子さんは、「がん患者は国内だけでも500万人。ニーズはあるはず」とみており、購入型クラウドファンディング(CF)の実施を経て、定期購入型のギフト事業にも乗り出す予定だ。
ショーを契機に起業を決意
塩崎さんは、20代前半に東京・中目黒のセレクトショップでバイヤーとして働き、26歳で独立。05年に中目黒、09年に六本木に専門店を開くなど、充実した毎日を送っていた。店の経営も順調だった14年1月、そんな日常ががんの告知により、突然暗転した。1年の闘病期間中に店だけでなく、髪も胸も失った。「カラフルだった毎日がモノクロになり、『がん患者』という枠の中で生きることを強いられた」。33歳の時だった。
入院中のある日、当時の主治医から「ファッションショーをやらないか」と提案を受けた。入院中、塩崎さんが他の患者たちにメイクをしたりドレスを着せたりしていたのを知っていたからだ。全国規模のがんの学会の最終日、患者だけでなく、医師もモデルになりショーを開き、大いに盛り上がったという。この7月にも2回目を開いた。
ショーをきっかけに塩崎さんは起業を決意。「自分の経験を、がんの患者さんや社会のために使いたい。限りある自分の人生のためにも」。退院後すぐに大学に入り直して事業アイデアを作り、16年2月には社会起業家を輩出するビジネスコンテストでグランプリを獲得した。
7月には元ディー・エヌ・エー会長が経営するベータカタリストの支援を受けてトキメクジャパン(東京)を設立し、代表に就いた。
![塩崎さん]()
塩崎さん
![美容や医療の専門家や患者らと詰め込む中身について議論を重ねた(左から3番目が塩崎さん)]()
美容や医療の専門家や患者らと詰め込む中身について議論を重ねた(左から3番目が塩崎さん)
![ボックスのデザインにもこだわった]()
ボックスのデザインにもこだわった
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October 31, 2016, 2:42 pm
ベイクルーズグループのフレームワークスは、カジュアルからフォーマルまで、さまざまなシーンに使えるブラックだけのレディスブランド「アルディーノアール」を立ち上げた。加藤恵利子さんと奥沢彩子さんの2人の社員のアイデアを形にしたもの。同グループの、社員からの新事業提案制度「スタートアップキャンプ」の第1期として採用、商品化された。
アルディーノアールのコンセプトは「ブラックで女性は美しくなる」。「冠婚葬祭用の黒い服は選択肢が限られていて、おしゃれなものも少ない」と加藤さん。長年、カタログ作成などのクリエイティブ担当だったが、今はアルディーノアール専任だ。「エディット・フォー・ルル」MDの奥沢さんは、「店舗スタッフ時代、ワンピースを探すお客が毎日のようにおり、ブラックドレスを含めてワンピースのバリエーションがもっとあればと思っていた」
15年のスタートアップキャンプに応募した2人の案に共通点があったことから、担当者の勧めで、初対面の2人が共同で企画を完成させた。市場調査のため、百貨店売り場やセレクトショップなど他社の商品を見て回ったほか、消費者やプレス関係者からも意見を聞き、おしゃれなブラックへのニーズを実感したという。
デザイナーとも話し合いを重ねてでき上がった商品は、レース、シフォン、ベルベット、ファー、ブラックデニムなど、さまざまな素材を使った黒の服。シンプルだが、女性がきれいに見える形やディテールにこだわった。トリアセテート混のシンプルなワンピースやノーカラージャケットは、喪のシーンにも対応する。
女性らしい総レースのロングドレスをはじめ、スタイリングしだいでドレスアップしたりカジュアルダウンできるアイテムも多い。プリーツとレースを組み合わせたスカートは、サイドのファスナーを開いてエプロンのように巻いて着ることもできる。
レースとオーガンディの2枚の生地を重ねたブラウスは、ばらして1枚ずつでも使えて、揃いのスカートとセットアップにもできる。ワンピース3万2000円から、セットアップ4万円からなど。デビューシーズンはオリジナル商品で構成したが、今後は仕入れや協業も検討する。
販売は、10月から「スピック&スパン」の有楽町店、名古屋店、広島店内に期間限定店を設け、ECでも扱っている。今後は単独店の出店を目標とするほか、セレクトショップならではの新しい目線のブラックとして、百貨店販路の開拓も視野に入れている。
![スタリング次第でカジュアルにもドレッシーにも着回せる]()
スタリング次第でカジュアルにもドレッシーにも着回せる
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November 1, 2016, 2:41 pm
街や企業がアートと融合 市内の魅力を再発見
岡山市中心部を会場とした現代アートの芸術祭「岡山芸術交流」(同実行委員会主催)が10月上旬に始まった。日本全国で様々な芸術祭が開かれる中、岡山芸術交流は、世界のアーティストの作品を徒歩で見て回れるコンパクトさが魅力の一つだ。作品の展示だけでなく、市内のユニークなスポットを紹介したマップや、岡山のレストランが登場する屋台など、岡山の魅力をいろいろな角度から再発見できる仕掛けを行っている。11月27日まで。
市中心部の徒歩15分圏ほどのエリアに、世界16カ国、全31組のアーティストの作品が展示されている。展示手法においては、市内の既存施設に改めてスポットを当てた。例えば、路面電車の城下駅前にあるリアム・ギリックの作品は、元々、地下スペースに光を取り込むためにあった大きな採光塔をカラフルに彩ったもの。
![元々あった採光塔にデザインを施したリアム・ギリックの作品。左の建物の壁面は、マイケル・クレイグ=マーティンの作品]()
元々あった採光塔にデザインを施したリアム・ギリックの作品。左の建物の壁面は、マイケル・クレイグ=マーティンの作品
市立オリエント美術館では、古代の器などの既存展示物と並んで現代アートが展示されている。県庁前広場なども会場となっているが、県庁舎の設計は元々、モダニズム建築で知られる前川國男氏によるもの。改めて見ると、整然としたファサードなど建築物としての魅力に気づかされる。
![県庁前の広場にも作品を展示。県庁舎の設計は建築家の前川國男氏だった]()
県庁前の広場にも作品を展示。県庁舎の設計は建築家の前川國男氏だった
地元企業との協業も行った。林原美術館の庭には、ピエール・ユイグの作品を展示。裸体像の頭部がハチの巣になっているというインパクトのあるオブジェで、岡山の山田養蜂場の協力で制作された。芸術祭の公式グッズでは、和菓子の廣榮堂とアーティストが協業したオリジナルパッケージのきびだんごも販売している。
![地元の和菓子店とアーティストが協業し、岡山名物のきびだんごを公式グッズとして販売]()
地元の和菓子店とアーティストが協業し、岡山名物のきびだんごを公式グッズとして販売
アーティストトークなどのイベントも、展示会場内ではなく、あえて市内の古本カフェなどで行い、来場者が岡山の街に触れる機会を増やした。期間中の土日祝日には、エリア内に建築学科の学生による屋台プロジェクト「ちいさな〝テロワール〟」が登場。岡山の人気レストランの料理を味わえる。会場マップは、作品の展示場所を表示した通常版に加え、老舗の銭湯やバス会社のロゴ、橋からの眺めなど、ちょっと変わった視点でエリア内を紹介する特別マップも制作した。
同芸術祭は、実行委員会会長を大森雅夫岡山市市長、総合プロデューサーを地元企業ストライプインターナショナルの石川康晴社長が務めている。開催を通じ、市民さえも見過ごしていたような「岡山の素晴らしい既存の資産を見直すきっかけになれば」と石川氏。芸術祭を見学する児童も多く、子供たちに創造性を与える教育的役割も重視している。将来的には、「アーティストたち自身が素晴らしいと言ってくれるような、世界で最も影響力のある芸術祭にしたい」と話す。
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November 1, 2016, 2:56 pm
神戸のイメージカラーを凝縮したタータンチェック「
神戸タータン」で、街を活性化させようとする神戸タータン協議会(事務局は石田洋服店、電話078・854・9701)が、10月27日に発足した。第1弾として商店街でのイベント参加、地元女子大でのファッションショーで知名度を上げる。
神戸タータンは海のブルー、ポートタワーの赤、六甲山の緑など神戸らしい色を盛り込んだタータンチェック。スコットランドのタータンチェック登記所に登録済みで、神戸の事業者、商店街、学校、団体、行政と幅広く使ってもらい、街を元気にしようという全国でも珍しい取り組みだ。
10月29、30日には、神戸・元町六丁目商店街で開かれた神戸開港150年のプレイベント「モトロクワインアベニュー2016」に参加した。神戸タータンオリジナルのネクタイ(5000円)、チーフ(2000円)、神戸タータンのラベルにした神戸ワインを販売した。
11月19日には、神戸松蔭女子学院大学の大学祭「松蔭祭」のファッションショーに参加する。服のデザインから制作、ショーの演出、モデルにいたるまで学生が担当するもので、神戸タータンを使ったドレスを披露する。
神戸タータンを使うには同協議会への入会が必要で、基本的にあらゆるアイテムに使用可能。販売はECを除いて神戸市内を原則とする。
![「神戸タータン」のネクタイ]()
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November 6, 2016, 1:00 pm
静岡県三島市の専門店「
アナログ」を運営するギビングアンドギビング(電話055・981・6288)は今秋から、自店に導入した中古織機で自社生産するオリジナル商品「ダブルギビング」を本格化する。同時に、地方専門店に求められる役割はコミュニティーと見て、「パーマカルチャー」「オルタナティブライフ」をテーマに、提供者が自作する服を通じて人生の楽しさや喜びを提供する。
中古織機での自作商品販売は春夏から開始した。幅22㌢ウールマフラーに絞って販売。2日に1本のペースで加藤正親ディレクターが自作する。現在は様々な色の糸を使った独自性のある生地作りにも挑んでいて、習熟すればウールパンツ、ジャケット、ベスト作りにまで持っていき、スタイリング提案していく考え。
長年にわたって販売していた、メーカーや工場発注の自社商品はやめた。単純なSPA(製造小売業)ではなく、さらに細かいサービスこそが洋服屋に必要との考えからだ。「これからは、どんな生活を送っているかが分かる人間が商品を自作し、生活を描ける提案をすることが、洋服屋の存在価値になる」と加藤さんは読んでいる。
店は現在、ヨガ教室とカフェ運営を軸に変え、地元・三島で男女の客から支持を得ている。客は心身を癒やす目的で来店。特にカフェはコミュニケーションや仕事での悩み解消を求めてやってくる。そういった客と交流、コンサルティングをしつつ、服を通じた生活の楽しみや喜びを伝える。
洋服をただ並べるだけでは売れなくなった中で、手作りという価値やそれに見合う価格を伝えるのも、専門店にとっての大きな仕事と意気込む。「店にセール品をたくさん置いても、たくさん客が来るわけではない。服に求めるものが激変した今、地方だから可能なコミュニティーの役割を構築し、客の生活に影響を与える存在でありたい」とする。
![「アナログ」の店内に導入した中古織機.jpg]()
「アナログ」の店内に導入した中古織機
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November 9, 2016, 1:52 pm
東京・表参道の路上や地下鉄銀座線の車内などで新進ブランドのファッションショーを行ってきたイベント「ハプニング」が、渋谷の路上やスクランブル交差点に面したシブヤツタヤ店内でショーをした。6回目の開催で、「メグミウラ」「コウシロウエバタ」など7組のブランドが参加した。
土曜日の午後、渋谷のセンター街に現れた前衛的ファッションのモデルたちに、通行客は「何ごと?」と足を止めて写真を撮る。路上ショーの後、ツタヤ内のカフェにモデルが移動すると、今度は食事や打ち合わせ中の客たちが目を白黒させていた。
同イベントは、「若手デザイナーが世界に羽ばたくためのプラットフォームを作る」という意図で、スタイリストの伏見京子の呼びかけで14~15年秋冬に始まった。回を重ねるごとに規模が大きくなり、今回は渋谷区観光協会、シブヤツタヤなどが協力、渋谷区が後援した。「ファッションには、事件性や沸き立つ興奮が必要との思いで始めたが、それが業界内に伝わって変わってきたという手応えがある。(定着してきたからこそ)次回は表現を変えたい」と伏見は話す。
渋谷区やツタヤの協力は、東京五輪に向け、渋谷の街をさらに盛り上げたいという考えから。ツタヤは「ファッションに限らず、若いクリエイターに光を当て、新しいカルチャーを作り出すことに今後力を入れる。そうしたイベントを継続的に行っていく第1弾として、ハプニングと組んだ」という。
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November 15, 2016, 1:06 pm
旅人のためのシェアクローゼット、用意しました――ファッションレンタル事業「
サスティナ」を運営するオムニス(東京)は、東京都品川区のホステル「
アーテンシェルター」と協業し、宿泊者向けに無料で服をレンタルするサービスを始めた。
今回の協業では、施設の共有スペースに常時、約100点の服、アクセサリー、バッグを置く。宿泊客は無料で自由に着用した後、返却ボックスに入れるだけでいい。宿泊中は何度でも利用できる。使用後はサスティナが回収し、クリーニングする。11月中の期間限定。
アーテンシェルターは、15年12月にオープンした〝泊まれるギャラリー〟。建物はガラス張りのスタイリッシュな外観で、1階がカフェバーとギャラリースペース、2、3階がホステルになっている。羽田空港からのアクセスが良く、海外からの宿泊客も多い。ホステルの宿泊料金は3550円から。女性専用ドミトリー、シャワールーム、ロッカー、フリーWi‐Fiなどの設備も揃う。
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November 17, 2016, 1:40 pm
ニット製品などの企画販売のトマリ(高城貴幸代表、takagi@tomari-current.com)は職人技を活用し、東京の下町から日本を元気にするプロジェクトを立ち上げた。アイテムは超撥水(はっすい)加工×塩縮加工ナイロンのバッグ。クラウドファンディング(CF)で資金を集め、17年春からの販売を目指す。
ブランド名は「コヨミ」。きっかけは東京都足立区で廃業する工場のベテラン職人と出会い、閉鎖の理由は後継者がいないためと知ったこと。若手への技術伝承、ファッションを通しての新しい価値創造、適正な価格での国産品販売、輸出をプロジェクトテーマにすることにした。ナイロンに塩縮加工を加えて独特な凹凸を出し、通気性もある超撥水加工にチャレンジしてきた。東京都台東区のバッグ用生地メーカーに協力を得た。
代表アイテムはトート、メッセンジャー、クラッチになるスリーウェーバッグ。トートとしての使用時にはメッセンジャー用の金具が隠れるなど、細かいところまで気を使う。金具部分は、東京都葛飾区の研磨職人に使い込んだような加工を入れてもらう。「麻の撥水生地ってあまりないよね」という職人との会話から始めているのが、ジュートとコットンのコンビによる撥水生地。当初はリネンを使ったが、耐久性が低く、地球環境にも優しいジュートに行きついた。11月下旬の展示会でリリースする。
11日からCFで出資者を募集したとところ、初日で目標金額50万円の30%を超えた。資金は生地の開発費と生地代金、試験データ費などに使う。高城代表は「日本製のシェアを増やし、日本製は高くないという新しい価値を創造したい」。
![代表アイテムの3ウェーバッグ]()
代表アイテムの3ウェーバッグ
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November 20, 2016, 1:27 pm
デザイナーの小池俊介さんが作るオリジナルブランド「
コハクション」は、産地との協業を進化させている。丹後産地でちりめん特有の強撚した絹糸を使ったデニム(綾織)とシャンブレー(平織)の生地を開発。「デニちり」のブランドを付け17年春夏向けから、生地を使った服も販売する。
丹後ちりめんは、経糸(たていと)に撚りのない生糸、緯糸(よこいと)に1メートルあたり3000回前後の強い撚りをかけた生糸を交互に織り込み生地にしている。そして精練により生糸に含まれるセリシンを落とし、表面感のある生地にしている。これを応用しつつ、デニちりは経糸に綿糸を使った。デニム、シャンブレーともに絹がもつ光沢感がある。また、デニムは強撚糸の収縮によりストレッチ性のある生地に仕上がっている。
17年春夏はメンズ、レディスのシャツやジーンズ、メンズジャケット、ワンピース、小物がある。和装関係者からは「デニムのストレッチ性が着物に合うので使ってみたい」という声も寄せられているという。製品は織りから縫製まで全て国内。パルコの購買型クラウドファンディングサービス「ブースター」を活用した資金集めを12月まで行っている。
小池さんは3年前から丹後産地との協業を始め、これまで精練工程で練り分量を変え特徴の異なる素材を作り、製品化するなど、産地に入り込んで物作りをしてきた。国内産地の生地も「分かりやすい切り口を作れば、市場に受けれられる余地は十分にある。それを考えるのがデザイナーの役割」との考えから、今後も産地との協業を継続していきたい考えだ。
![適度なストレッチ性があるデニム]()
適度なストレッチ性があるデニム
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November 24, 2016, 1:23 pm
働く女性を輝かせる、機能的で高級感あるバッグを――。5月設立の
FUMIKODA(東京)が販売する「フミコダ」は軽量、高機能で、動物皮革を使わないラグジュアリーなキャリアバッグブランドだ。12月2日の本格発売に合わせ、「ドローイングナンバーズ」南青山店で期間限定店を開くほか、SNS(交流サイト)などウェブマーケティングを駆使して認知を広げていく。
動物の皮革は使わず
ファウンダーの幸田フミさんは海外でウェブデザインなどを学び、現在は日本でIT(情報技術)コンサルタントとして活躍中。自身の経験から、「軽くて機能的で、高級レストランでの商談にも臆することなく挑めるスマートなバッグが無い」とフミコダの企画製造を思い立った。
素材では最初、高級感を出すために本革を検討したが、皮革の知識を得るうちに、「動物の皮革を使わないこと」を強く意識するようになった。材料探しで日本各地を回る中で、技術を持った職人と出会い、実現したのが高級車のシートに使われる人工皮革や、綿花から作るべっ甲のような特殊なセルロースだ。
本体の素材は皮革の断面に近い構造の人工皮革を、さらにリアルに見せるため型押しの試作を繰り返した。水拭きもでき、丈夫で軽量だ。ロゴを刻印するフラップのアクセサリーバーには特殊なセルロースを使い、福井県鯖江市で、眼鏡のフレームと同様の手法で磨き上げる。土台はアルミを削りだして軽量化した。
パソコンも入る大きさ
主力のショルダーバッグは800㌘で、本革バッグの3分の2の重さだ。A4サイズのノートパソコンを収納でき、型崩れしにくく、置いても自立する。価格は14万8000円。ショルダーバッグのフラップは着脱可能で、同じ仕様のフラップがついたクラッチバッグは9万8000円。フラップを交換すればシーンに合わせて楽しめる。1泊の出張にも対応する大型トートバッグは730㌘で9万8000円。
本格販売に向けて、9月にはパリの合同展トラノイに出展し、ニューヨークの車のオートショーではチャリティーオークションに出品した。欧米は動物皮革不使用への意識や日本製への関心が高いからだ。トラノイでは複数の商談ができ、オークションでは著名ラグジュアリーブランドのバッグよりも高値が付くなど、商品の価値を確信したという。
今後は商品に対する思いや他にない価値を訴求しつつ、キャリアに強い百貨店やセレクトショップなどへの販売を目指す。
![軽量、機能的でラグジュアリーな「フミコダ」のバッグ]()
軽量、機能的でラグジュアリーな「フミコダ」のバッグ
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November 27, 2016, 1:53 pm
京都発のレディスブランド「リバー」(京都市)は、17年春夏から新ライン「セント」を始める。肌着や部屋着として使えるリラックス感のあるアイテムから、旅行先でも楽しめる便利なもの、アクセサリーまで揃う。
インナーは、着やすくて自然な女性らしさを演出するアイテムが中心。「ランジェリーが好きだったが、専門の技術やそれなりの生産ロットも必要。アパレルの目線で実現出来る形のアプローチを考えた」と、デザイナーの服部陽子さん。スリップドレスは、綿・シルク混のツイルに洗いをかけた。透け感がないので、日常着としても使える。黒、ベージュの2色で1万8000円。同じ素材のキャミソール(1万4000円)もある。
半袖のボディースーツは、強撚の綿細番手を使った。ボディースーツ本来の、背中から裾が出るのを防ぐ効果があるほか、ゆったりしたシルエットなので部屋着にもなる。1万1000円。
旅先をイメージした商品はパンツを充実。「テンセル」・綿・リネン混のワイドパンツは、自然なしわ感や適度なハリ感、イージーケア性が特徴。3色、2サイズで2万3000円。ユーズドジーンズの縫製部分を一度すべてほどき、リメイクしたジーンズもある。アクセサリーはブランドとして初になるが、シンプルで飽きのこないネックレスやイヤカフなどがある。
同ブランドの中心客層は30代。商品はすべて国産で、セレクトショップなどの専門店を販売先とする。卸販売は代理店とも協力しており、少しずつ販売先を増やしている。現在は30軒近くになった。
![透け感がなく日常着としても使えるキャミソール]()
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November 29, 2016, 1:00 pm
「凝った作品なのに安い」
アジアの独立系クリエイターが作った商品を購入できる台湾発のECサイト「
Pinkoi」(ピンコイ)が日本でのプロモーションを強化している。このほど東京の大型イベントに出展し、72組のデザイナーがコレクションを披露した。日本の著名クリエイターが特別賞に選んだ注目の新進ブランドを紹介する。
■ミキオサカベ賞![ユニークなデザインのピンバッジ「ピンデミック」]()
ユニークなデザインのピンバッジ「ピンデミック」
デザイナーの坂部三樹郎氏による「ミキオサカベ賞」は、シンガポールのピンバッジ「ピンデミック」。かじられたリンゴやサボテンが生えたカップケーキ、三つ目のトラ、黄身が黒い卵――などデザインはユニークで多彩。すべて手でペイントしており、その手作り感が味になっている。「バッジで持ち物をデコレーションし、SNS(交流サイト)を通して自己表現したくなる楽しさがある」(坂部氏)ことも注目された。中心価格は1250円。
■矢後直規賞![廃材ならではのいびつさをデザインに生かしたアクセサリー「ニンフアート」]()
廃材ならではのいびつさをデザインに生かしたアクセサリー「ニンフアート」
アートディレクター・グラフィックデザイナーの矢後直規氏による「矢後直規賞」は、廃材を使ったタイのアクセサリー「ニンフアート」。廃材ならではのいびつな形状や模様、コケが生えた部分を透明な樹脂で加工し、天然のディテールをそのまま生かした一点物だ。「従来、捨ててしまう物をきれいに見せる価値の転換」(矢後氏)が評価された。リングが1900~2700円、ネックレス2940円、iPhoneケース5000円。
■シンラ賞![ガラス玉の中にビーズや刺繍糸を入れたアクセサリー「シモ」]()
ガラス玉の中にビーズや刺繍糸を入れたアクセサリー「シモ」
クリエイティブカンパニーのシンラによる「シンラ賞」は、ガラスを使った香港のアクセサリー「シモ」。ビーズや色鮮やかな刺繍糸などのパーツを入れたクリアガラスの玉を使い、アクセサリーを作っている。ガラスの表面と中のパーツに光が反射してキラキラと輝く。ピアスとリングが2000円台、ネックレス4000円台。「安いけれど高価に見えるという〝やすたか〟を求める20~30代女性のニーズがあるので売れる」(シンラ)と見ている。
ピンコイを日本で運営するピンコイジャパン(東京)の新田晋也さんは、「ジャンルもテイストもバラバラという面白さと、品質のわりに安いことが来場者の興味を引いた」と話す。サイトへのアクセスを促す狙いで会場では販売しなかったことに「不安もあった」が、「気になった商品があればすぐにサイトにアクセスして会員登録し、購入している客もいた」という。
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December 4, 2016, 2:55 pm
ビンテージショップのオリジナル商品としてランジェリーを作っていた熊谷東子さんは17年春夏、ランジェリーとルームウェアのブランド「ヤーチャイカ」を発売する。ブランド名は女性初の宇宙飛行士でソ連(当時)のワレンチナ・テレシコワさんが宇宙から発した「こちらカモメです」という言葉が由来。ブランドマークは宇宙を羽ばたくカモメをデザインした。
「古い映画や音楽、女優が好き」と話す熊谷さんが作るランジェリーやルームウェアは、色使いやデザインにノスタルジックなムードが漂う。17年春夏は、60年代の米ガールズバンド「ザ・ロネッツ」をイメージした。
パステルカラーやネオンカラーのカラフルでポップな色使い、フェザーやシフォン、コットンレース、サテンなどの女性らしさやクラシック感のある素材使いが特徴。素材は日本のものを中心に、イタリアのニットなども取り入れている。オリジナル柄の刺繍は桐生で入れた。
はき込みの深いショーツ、ロングガウン、ミニ丈ボレロ、チャイナカラーのルームウェアなど、アイテムでもクラシック感を表現した。ブラジャーはノンワイヤ・ノンパテッドの三角ブラタイプ(パッドポケット付き)が中心。コウノトリのフェザーを使ったジャケットなどアウターもある。ブラジャー1万~1万2000円、ショーツ5000~6000円。
販路はビンテージショップ、セレクトショップ、ランジェリーショップなどの卸を中心に、百貨店やファッションビルでの期間限定店も予定している。
![デザイナーの熊谷さん]()
デザイナーの熊谷さん
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December 6, 2016, 1:00 pm
80年代に人気だったメンズブランド「グレンオーヴァー」が復活した――。ゲットアクティブ(東京、電話03・6326・6531)とデザインスタジオグレン(東京、電話03・6450・6531)は創業時のデザイナーだったファッションディレクターの赤峰幸生氏に監修を依頼し、17年春夏物からセレクトショップや百貨店を卸し先として販売を開始する。
80年代に人気を博す
グレンオーヴァーは82年にスタートし、デザイナーブランド全盛の時代に日本の職人技で作るクラシックなデイリーウェアというコンセプトが、高品質な服を長く愛用したい層に支持された。国内の有力セレクトショップなど全国の専門店をはじめ、米国の百貨店や専門店にも卸し先が広がった。だが、90年代初頭に姿を消した。
今回は赤峰氏監修の下、デザインスタジオグレンが企画・生産、ゲットアクティブが営業・販売を担う。当時のコンセプトのまま、国内で開発した素材を使い国内の縫製工場で生産。
毎シーズン、アーカイブの中から今のバランス感でシルエットやディテールを微調整したアイテムを復刻する。赤峰氏は「親から子へリペアしながら次代へ継承できる上質な日常着のブランドにしたい」と強調する。
代表的アイテム復刻
17年春夏に復刻する代表的なアイテムはオフィサーズトレンチコート(税込み13万8240円)やマウンテンコート、ミリタリーレインコート(7万3440円)、シューティングジャケット(9万5040円)など7モデル。無地でシンプルなデザインでシーズンレスに着用できるのが特徴だ。
主力の素材はギザ88の超長綿の強撚糸を浜松のシャトル織機で二重織りにした生地を草木染めでカーキや紺、茶などの色に仕上げた。そのほか第一織物によるハリ感と撥水(はっすい)性のあるナイロンを使う。
![グレンオーヴァー1]()
当時のコンセプトのままシルエットやディテールを微調整して復刻した(監修した赤峰氏)
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December 8, 2016, 1:12 pm
約30年ぶりに復活 三越伊勢丹などで発信
福島県の会津地域で「次の世代につなぐものづくり」をテーマに商品企画・販売を行うイー(谷津拓郎社長)は、生産が途絶えていた伝統的な織物である会津木綿の一種「会津青木木綿」を約30年ぶりに復活させた。26日には、祝儀袋兼ハンカチ(税込み2160円)として限定発売する。
会津木綿は同地域で400年前から生産され、人々が親しんできた織物。そのうちの会津青木木綿は、江戸時代から藍の栽培、染めが盛んだった会津坂下町青木・青津地区が発祥。大正時代に藍染め屋が織機を導入し、〝青木縞〟と呼ばれる柄が織られていたが、30年前に生産は途絶えて織機は使われないまま放置されていた。
同社は廃業した会津木綿の工場から、約100年前の織機を受け継ぎ、パーツを一つひとつ外して錆(さび)を落とし、油をさし直して再稼働することに成功。商品開発を進め、祝儀袋を作った。祝儀袋の役割を果たした後は、ハンカチとして使うことができる。サイズは38×37㌢。紺と水色を揃える。
祝儀袋は、三越伊勢丹ホールディングスとビームスが47都道府県の物作りの魅力を伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店、ビームスジャパンの各店で発信するプロジェクト「スタンド・フォーティセブン」にも取り上げられた。26日から17年1月10日のプロジェクト期間中に出品する。
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