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大阪オフィスのデビューブランドが元気

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「リサウンド・クロージング」 初年度目標上回る勢いに
国内生かしたものづくりに支持

 16年春夏からスタートしたジーンズカジュアル主体のメンズ「リサウンド・クロージング」(大阪オフィス)が元気だ。販売先の店頭でヒット商品が生まれ、追加発注も続き、初年度の売り上げ目標だった2億円を上回る勢いを見せている。ジーンズだけでなく、国内の手の込んだものづくりで仕上げたトータル提案も支持されている。
 ジーンズをはじめとしたデニムアイテムは、岡山県児島にあるジーンズ後加工の工場と協力して作り込んでいる。ジーンズはオリジナルデニムや加工だけでなく、ミシン糸も風合いと強度を両立させたものを3種類使い分けるなど細部まで手をかけている。腰裏のタグを職人が刺繍にしたり、革パッチにディアスキンを使うなどもしている。
 春夏はジーンズをはじめ、Gジャンやサマーニットなどのアイテムがヒットした。とくにGジャンは約600枚が売れる結果になった。購入していく客層は30代半ば~後半が最も多い。
 現在の販売先は個店専門店を中心に40店ほど。インポートブランドも扱う感度の高い店が少なくない。新規取引の引き合いや問い合わせも増えている。
 16~17年秋冬物では、インディゴやブルーの色使いを主体に、西海岸のサーフカルチャーを盛り込んだ提案を打ち出す。パンツでは、インディゴカラーのコーデュロイを新たに加える。本藍染めのロープ染色糸を使い、静岡県磐田市で作った14ウェルのコーデュロイを使うもの。後加工するタイプは、アタリやパッチワーク、リペア感などが、凹凸感とともに印象強い。4万2000円。
 パンツ以外では、デニムのダウンベストやディアスキンのレザーアウターを押している。ダウンベストは、8?のムラ糸デニムで、背中部分に後加工をのせている。4万2000円で、ジャケットタイプは5万円。ディアスキンを使ったダブルライダーズやGジャンは、タンニンなめしをベースにした技術で黒だけでなく、インディゴのようなブルーも表現する。どちらも13万~16万円。

デニムを使ったダウンベストデニムを使ったダウンベスト

秋冬に打ち出すインディゴコーデュロイパンツのハードな加工タイプ

ポケットにこだわるユニークブランド

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 オールフォーワン(東京、電話03・5832・9313)は、ユニークでキャッチーなポケットが付いたアイテムに特化したカジュアルブランド「シュガーグライダー」を16年春に立ち上げた。
 同社はアウトドアカジュアルブランドから独立した木原彰夫氏が代表を務める。シュガーグライダーはポケットが最大の特徴で、稲妻の形やオリオン座を表現した菊穴が付いたタイプ、左利き用、ボタン付きで配色の大きいものなどがある。ブランド名のシュガーグライダーはフクロモモンガの別名。今春夏はポケット付きTシャツに特化した。野外フェスやキャンプなどアウトドアシーンであると便利だし、スタイリングのアクセントにもなる。Tシャツは綿100%のボディーからオリジナルで製作。4200、4500円。
 3月から販売をスタートし、1700枚生産したうちの1200枚以上(6月末)を消化した。卸先はアウトドア系やファッション系の個店が中心。ECでも販売している。秋冬はポケット付きのトレーナーやフットボールT(5900円)も出す。国際商標も取得しているので、海外販路の開拓も目指している。
シュガーグライダーIMG_6501ユニークなポケットが特徴の「シュガーグライダー」

革小物のキイチが「匠」に選出

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 日本製革小物「キイチ」を製造・販売するスタジオキイチ(神戸市)の片山喜市郎代表が、「レクサスニュー匠プロジェクト2016」の「匠」に選ばれた。
  地域の伝統や技術を生かして新しい発想のものづくりをする若い職人を支援する事業で、今回が初の取り組み。片山代表が提案したのは地元兵庫で作るサイクリングシューズ。
  同プロジェクトはトヨタと「レクサス」販売店が主催する。4月から一般公募と地域推薦を受け付け、7月11日全国47都道府県から52人の匠を選出した。
 片山代表のプランは「ライフスタイルを提案するレザーブランド」。特に神戸で盛り上がっているサイクリングに注目、第1弾商品としてサイクリングシューズを企画。タウンにも使えるファッション性を重視した。
続きは繊研新聞で

地域振興へ森永邦彦デザインの職人服

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 北日本新聞社(富山市)は、地域振興の一環として、富山県高岡市の職人をワークウェアで輝かせるチャリティープロジェクト「パワー・オブ・タカオカ」を立ち上げた。
 銅器や漆器をはじめとする伝統工芸が息づく高岡市では昨今、後継者不足が問題になっている。今回の取り組みは、「厳しい環境で、昔ながらの伝統をひたすら守る」という従来の職人のイメージを刷新して、若い力で時代をリードする新しい職人像を提案し、職人の後継者不足に歯止めをかけるのが狙い。その足掛かりとして、「アンリアレイジ」のデザイナー森永邦彦を起用して、「驚きと憧れを感じる革新的なワークウェア」を作り、伝統工芸の新しいイメージ発信を目指す。
 ウェアは、若手職人と問屋による高岡伝統産業青年会を通して、伝統工芸職人に贈呈される。高岡と同様に後継者問題を抱えるコットンUSAも協賛している。
 プロジェクトのスタートを記念して、森永がデザインしたチャリティーTシャツの販売も始まった。職人の魂と歴史が宿る「輝く手」のモチーフが描かれている。価格は3500円。1枚につき1000円をプロジェクトに寄付する。
パワー・オブ・タカオカ

ものづくり軸に販売先増やすティモーネ

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 テキスタイルメーカーのカジナイロン(金沢市)が16年春夏から提案を本格化したメンズのファクトリーブランド「ティモーネ」が販売先を着々と増やしている。
 販売先店舗数は、セレクトショップや百貨店を中心に約20店でスタートし、3年後に50店、5年後に海外輸出も目指す。
 同ブランドは、母体のテキスタイルメーカーやグループの強みを生かし、素材や加工技術を生かしたものづくりを国産で打ち出す。主力ターゲットは40代。ビジネスマンのユーティリティーウェアをはじめ、機能素材を活用した提案も多い。
 素材を生かした新鮮な切り口や、大人が取り入れやすい企画が支持され、16~17年秋冬は新たに高島屋の4、5店舗で、別注企画による催事も決まった。ゆくゆくは海外の展示会にもチャレンジしたい考えだ。
 17年春夏物では、中世イタリアのカプリ島の男性をイメージし、マリンブルーなど様々なブルーを、得意素材のナイロンの発色性を生かして表現する。ポリウレタン混のストレッチナイロンを使った6ボタンのテーラードジャケット(3万8000円)、プリント柄をのせたダブルのジレ(2万5000円)を打ち出すほか、主力商品のポリエステル・ナイロンのダブルジャケット(3万8000円)に黒やスカイブルーの新色を加える。
 グループ会社の透湿防水機能を持つ軽量織物とハリ感のある7デニールナイロントリコットなどの3層ボンディングパーカ(4万5000円)や、パンチングではなく織りの技術で細かい穴と通気性を実現したナイロンのスタンドカラーブルゾン(3万6000円)など、自社開発した素材の活用も増やす。
「ティモーネ」17年春夏物。自社開発素材の活用も増やす

胸の大きい女性のための通勤服、話題に

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 胸の大きい女性に向けた通勤服「ハート・クローゼット」が話題だ。イラスト製作等の会社を経営する女性起業家が自身の経験を踏まえて始めたもので、クラウドファンディングでプロジェクトを発表したところ、わずか2時間でチケットは完売、この間のメディア掲載は内外で100社を超えた。ありそうでなかった隙間市場に参入した同社は、秋以降、アイテムの拡大に力を入れるとともにECサイトの開発を急ぐ。
■本人にしか分からないストレス
 同ブランドを運営する122(東京品川区、電話03・5447・8553)代表の黒澤美寿希さんは、中学生から胸が大きくなり、高校生の頃にはGカップになった。毎日着用しなければならないセーラー服を着ると生地が引っ張られ、おへそが見えたりして困っていたという。
 大人になってからも、着られる服はチューブトップなど露出の多い服しかなく、派手な性格とみられることが多かった。「キャンキャン世代なので女子アナが着るようなアンサンブルを着たかったのですが、ボタンが飛んだり変な型がついたりして、一度着たら使い物にならなくなりまた」。
 起業してからはカジュアルな格好ばかりするわけにもいかず、相変わらず服選びには苦労していた。普通サイズのシャツやジャケットを着用すると、「胸に生地が引っ張られ、息苦しかったり、猫背になったり」。太っていないのにそう見られるのもストレスだったという。
 「自分のように困っている女性は多いはず」。自身の会社の運営も落ち着いてきたこともあり、一念発起、昨年12月に「胸のサイズから発想するアパレルブランド」のための別会社、112を設立した。テーストの幅やファッション性はさておき、OLの通勤服をつくることにした。

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■気持ちに寄り添いパターンも見直し
 もっとも、服作りは素人だったため、知人の紹介で国内の縫製工場に相談し、まずはサンプルを作ってもらった。胸の大きい女性15人以上を集め、実際にサンプルに触れてもらって意見を聞き、修正に生かした。シャツとジャケットから始めた。
 例えば、シャツは前身頃に20センチほど余計に生地を取って立体的なつくりにし、生地が胸に引っ張られないようにした。シャツを出す場合もお腹が出ないように、前身頃も長めにしたほか、胸元には隠しボタンも潜ませ、生地が広がらないようにもした。
 ジャケットは前身頃のダーツの位置そのものも大きくずらしたほか、襟もやや大きくし、第一ボタンもやや下げるなどバランスを整えた。

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■市場、意外に大きい?
 6月末にチケット購入型クラウドファンディング(CF)「エンジン」でプロジェクトを公開したところ、2時間で目標額に到達、現在は達成率996%以上となる298万円超となっている(8月9日まで)。シャツが1万1000円から、ジャケットが2万4000円から(ともにCFの購入価格)。
 おっかなびっくりで始めた事業だが、想像以上の反応もあり、秋からは本腰を入れる。ECでの販売態勢の整備や期間限定でリアル店舗の運営をにらむ。働く女性に向け、「ワンピースなど基本となるアイテムを押さえていきたい」。
 あるインナーメーカーの調査では、若い女性の多くは正確に自分のサイズを把握しておらず、4人に1人がEカップ以上あるという。「何で今までなかったのか」などの多くのツイートやCFの盛り上がりからも、胸の大きな女性のための洋服は、隙間のようでいて市場は意外に「大きい」のかもしれない。

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バンプロの移動販売車に好反応

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 バンプロ(東京)が16年春から営業を始めたトラック車両の移動販売店舗「スーパーサンクスボックス」が順調なスタートを切っている。4月末から休日を中心に首都圏の商業施設に出店している。若いファミリーやカップルに支持され、着実に売り上げを確保している。
 同店の主力商品は、メンズ・レディス・キッズカジュアルブランド「スーパーサンクス」のカスタムオーダーのシャツ(大人用8000円、子供用6000円)とTシャツ(同4800円、同3800円)。店舗では好きな色柄の蝶ネクタイか眼鏡のワッペンを一つ選び、白地のシャツかTシャツに縫い付けてくれる。これら以外に、プリントTシャツやキャップ、トートバッグなど2000~3000円の商品も揃う。
 これまでは土日や連休に、グランツリー武蔵小杉やセブンパークアリオ柏、丸井大宮店に出店。1カ月間に5~10日ほど営業してきた。値頃な商品よりもカスタム商品への引き合いが強く、ファッションに関心の高い若い男女に受けているようだ。特にグランツリー武蔵小杉で反応が良かったという。1日の最高売り上げは約25万円で、平均売り上げは10万~15万円。「当初の目標をクリアできている」(竹内秀介代表)と順調だ。
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ACDCが描く“超原宿系キモノ”

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ポップアートとの融合


 東京の原宿・竹下通りで4店を運営するエーシーディシー(横浜市)。「原宿系のスタイルは常に変化しているが、今の原宿はつまらなくなったと聞く。原宿に新たなムーブメントを起こしたい」とは、ショップオリジナルを企画する土居麟馬デザイナー兼店長。5月下旬から、オリジナル「エーシーディシー・ラグ」の〝超原宿系キモノ〟を企画・販売、3000枚以上のヒットとなっている。
 超原宿系キモノは伝統服のきものと現代のデザインを掛け合わせたハイブリッドファッションで、誰でも好きなように着こなせるユニセックスアイテム。丈が短く羽織りや法被に近いデザインで、ポップでインパクトがあるデジタルプリント柄を提案する。第1弾はパステル系のサムライや空ネコ、宇宙ネコなど6柄を企画。1番人気はパンダで、1000枚以上の販売となっている。卸も行っており、ヴィレッジヴァンガードのオンラインストアでも好調だ。
 価格は3900円。生産は中国で、協力工場と直接取引し価格を抑えている。購入者はヤングを中心とした日本人40%、インバウンド(訪日外国人)を含む外国人60%で、男性客も。また、ダンサーやアイドルの購入者も見られ、SNS(交流サイト)へのアップなどで広がりを見せる。
 7月下旬からは第2弾の黒をベースにしたネコやパンダの新柄3種類を加えた。16~17年秋冬物では厚手の生地に切り替えて、春夏物と同柄と新柄を加えて販売する。
誰でも好きなように着こなせる第2弾の黒ベース「超原宿系キモノ」誰でも好きなように着こなせる第2弾の黒ベース「超原宿系キモノ」
原宿・竹下通りで4店を運営するエーシーディシーの本店原宿・竹下通りで4店を運営するエーシーディシーの本店

続きは繊研新聞で

ゴルフのセレクト売り場は全部任せて

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 今春起業したゴルフウェアメーカーのスタッツ(東京、電話03・6277・4542)は、ゴルフのアイテム別セレクト売り場を市場で確立させるため、商品企画だけでなく、売り場作り、流通の仕組みも提案する。流通の仕組みは、ゴルフ用品の有力ECサイトと組む。サイト向けに卸した在庫をスタッツの卸し先専門店と共有させることで、販売店は在庫負担を軽くしながら必要な時に追加発注ができる。
シック&エレガント

ゴルフと日常着としても使える実用的で大人カジュアルなウェアやグッズ ゴルフと日常着としても使える実用的で大人カジュアルなウェアやグッズ

 同社は来春に向け、「シック&エレガントトラッド」を統一のテイストとする複数のブランドを揃える。片山良二社長は対象を「若い感性を持ち、車や靴、時計にこだわる50代男性に憧れを持つゴルファー」という。東京で23~25日、大阪で30日~9月1日に自社企画の4ブランドを中心とした展示会を開く。
 自社ブランドの主力は「カミーチャスポルティーバプラス」。有力ゴルフウェアブランドの立ち上げに携わってきた竹本修氏がプロデュースする。街着としても違和感のないシンプルなデザインで「日常着の延長線上にあるウェア」。パンツ2万円前後、シャツ1万5000円、ニット1万8000円が中心価格。
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プリママリエリア、毎日着いニット

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ファクトリーブランドで新たにパターンオーダー

 第一ニットマーケティング(新潟県見附市)の販売子会社、プリママリエリアジャパンは自社のファクトリーブランドを刷新し、小売り向けに加えて、アパレルメーカーへの提案強化にも取り組む。グループの強みはOEM(相手先ブランドによる生産)で変わらないが、技術力を背景に、変化する市場に向けた新しい提案を構築していく。
 プリママリエリアジャパンは販売拠点を東京店(大久保洋店長)に置き、国内の上質素材のみを使った「毎日着たくなるようなニットウェア」を提案する。
 立体かつ曲線的なシルエットで女性らしい自然なフォルムを表現、ハンガーで販売する洋服仕立てのニットを打ち出す。コンセプトは「ジャパンラグジュアリー」で、他社と差別化したブランド構築により販売を拡大する。
 ファクトリーブランド「プリママリエリア」は18、21、30 ゲージ のハイゲージの繊細なニットウェアで、東洋紡糸工業のカシミヤ70%・シルク30%の「レジェンド」と長谷川商店のシルク100%の2素材のみを使用する。「プリメイラ」では7、10、12 ゲージ のミドルゲージで、東洋紡糸工業のカシミヤ100%を使う。
新しい打ち出しを行う「プリママリエリア」
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婦人インナーMICのブラ付きアウター

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 3次元設計(3D)の婦人インナーメーカー、MIC(エムアイシー、神奈川県厚木市、神崎淳志社長)は、ブラジャー機能付きアウターウェアを開発し、16年秋から自社ブランド「ブラウンジ・ドレス」「ブラウンジ・トップ」を発売する。
 前開きアウターの胸部内側に同社の特許技術「3D‐BRA」のパッドを内蔵し、ゴムのアンダーテープを前立てから背布まで縫い付けてテンションをかけ、ブラ機能を実現した。ボタンやファスナーで前留めする。この組み合わせ構造は、既に実用新案を登録済みだ。
ドレスにはブラの機能が装着されている
 ブラウンジ・ドレスの主販路は高級リゾートホテル。ホテルが宿泊客に提供する館内着はゆかたが大半だが、女性客には、はだけたり、ノーブラへの不安がある。このため、館内着としてホテルに採用を提案し、ホテル内ショップで販売も狙う。
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使い捨てさよなら、NZ発ブラントの傘

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 傘メーカーのサエラ(東京、山本健社長)は今春、ニュージーランドの傘メーカー、ブラントと輸入販売契約を結び、「ブラント」ブランドの販売を始めた。長く使うことのできる耐久性とデザイン性を兼ね備えた傘で、ビニール傘を中心に使い捨てされることの多い傘の消費構造を変えるこを目指す。来年度の販売目標は3万本。
 ブラントはニュージーランド出身のエンジニア、グレイグ・ブレブナーが「丈夫な傘を長く愛用してもらい、傘の使い捨てをなくしたい」との思いから開発した。風の抵抗を受けにくい構造にすることで耐風性、耐久性を高め、露先を生地の中に内蔵することで安全性を高めた。機能面を充実させながらシンプルでスタイリッシュなデザインを特徴とし、カラーバリエーションも豊富に揃える。
 価格は長傘の標準サイズが7500円、男女兼用の軽量モデルが6800円、折りたたみ傘が6500円。
耐風性、耐久性や安全性とデザイン性を兼ね備える
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スマホでデザイン~販売し物作り革命

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 ――まるで手元で組み立てているような臨場感とリアリティー。スマートフォンアプリ企画・開発のファンアップ(東京)は、アクセサリーをスマホ上でデザインし、投稿・販売できる物づくりマーケット「モノミー」を本格リリースした。ユーザーは、スマホという仮想空間にデザイン画像を投稿し、購入者が発生した時点で初めて生産工程に入る。パーツメーカー、組み立て工場、ユーザー、そしてアプリ運営の各立場で、在庫リスクのない物づくりのあり方として注目される。

 モノミーが掲げるのは、「ハンドメイド」(手作り)ならぬ「スマホメイド」(スマホで物づくり)マーケット。スマホアプリで、個人作家が参加するハンドメイドマーケットとして、「ミンネ」「クリーマ」などがあるが、モノミーは、デザイン工程からスマホ上でできる。スワロフスキー、天然石、チャーム、ゴールドフィルド(金張り)、10金など約3000種のパーツから、ユーザーは好きな材料を選び、画面上で操り、組み立てる。操作は直感的かつ、パーツの動きもリアリティーがある。これは、ゲームエンジンで使われる物理演算を用いて担保した。出来上がったデザインは、各ユーザーのブランドとして公開。購入者がつくと、ファンアップの自社工房で手作りし、梱包、配送、決済、アフターケアまで同社が担う。
左からパーツ選び、デザイン、投稿フィードの各画面左からパーツ選び、デザイン、投稿フィードの各画面

 ポイントは、参加者それぞれにとって“ノンリスク”であること。モノミーとして、パーツ在庫は持たず、工場や卸店からリースして撮影し、画像としてバリエーションを揃えている。パーツ業者としても、大きなリスクなくオンライン販売に参入できるとして、現在42社が参加している。現在、投稿作品の価格帯は、1500~6000円。ユーザーは作品の売り上げの10%がポイント還元され、今回の機能追加により、現金受け取りも可能になった。「従来の作って買えるマーケットから、作って売れるマーケットにアップデートできた。IT×物づくりで、製造に革新をもたらしたい」と山口絵里社長。
スマホ上のデザイン(上)と実物(下)の差異が生まれないように徹底研究した。事実受け取り後のクレームは過去1件のみスマホ上のデザイン(上)と実物(下)で差異が生まれないよう徹底研究した。事実、受け取り後のクレームは過去1件のみ
モノミー山口絵里社長山口絵里社長

 15年8月にプレリリースし、累計投稿数は13万個で、うち販売数は1000個。1週間で平均20投稿と熱心なユーザーを掴んでおり、アクティブ率の高さが強み。現在、多数のインフルエンサーを抱えるコーディネートアプリとの提携を進めているほか、販路拡大を狙った他のマーケットプレイスとの連携や、企業とユーザーのデザイン協業など予定。現状、自社工房の生産能力は1日100個だが、注文が1000個レベルになれば外注し、商品価格が下がる仕組みも導入する考え。「作るマーケットアプリなので、売るのは他社サービスを通じてでもいい」という差別化のもと、当面は10万ユーザー獲得をめざす。

サービス公式サイト

10周年の「ミキリハッシン」が新店

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 東京・原宿のストリートで、コアなファッション好きに支持されてきたセレクトショップ「ミキリハッシン」(山口壮大ディレクター)が、今夏移転した。新ショップは、旧ショップとほど近い神宮前の住宅街の中。〝家〟をコンセプトに、一軒家を改装して、元々の部屋のイメージに合わせてウェアやインテリアグッズを置く。一見、はやりのライフスタイルショップのようでありながら、実は真逆の意図を込めて作ったショップだ。
個性の光る編集

 店は2層の作りで計約100平方㍍。日本庭園のように小石を敷き詰めた玄関を入るとトイレや台所があり、廊下を進むと居間につながる。台所にはアメリカで買い付けてきたという古いキッチンツールや皿を飾り、居間にはメンズ、レディスのウェアや雑貨とともに、椅子やクッション、スピーカーなどを並べる。取材時にはトイレや2階は改装中だったが、今後開放する考えだ。
 ウェアの品揃えは、移転前から買い付けている国内ブランドや古着が中心だ。メンズは「アンリアレイジ」「ケイスケカンダ」「ハトラ」など。新たに設けたレディスコーナーには、スタイリストの高山エリが選んだ「イン」「クリーナ」「ナイフ」などを置く。
 メンズ、レディスとも一言で○○系とは表現できない個性的なブランド編集だが、それは狙ってのこと。「テイストで切って品揃えするのではなく、商品の背景にあるデザイナーの熱量に共感したブランドを揃えている。テイストで編集してしまうと、今の時代はウェブでブランド検索した際に関連ブランドとしてズラリと出てしまうけれど、こういう編集の仕方なら検索では見つけられない」と、山口ディレクター。移転前の平均客単価は2万5000円前後。
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ミキリ中台所(奥)はキッチンツールや皿を陳列するとともに、休憩スペースにもなっている

 

ヰノセントが 新スタイルの展示会

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 レディスアパレルメーカーのヰノセントは、欧州ブランドをメインとした合同展示会「ホテル・アンフィニィ」を立ち上げた。ヰノセントを含む10社20ブランドの17年春夏物を集め、24~26日に東京・目黒のホテルクラスカで開いている。
 新しいブランドの紹介や、これまでとは異なるテイストの提案で小売店を新規開拓する。レディスインポートブランドの発表の場が国内で減っていることも踏まえた。
 「欧州中心に歴史とユニークな個性があり、メジャーではないブランドが集まる展示会」として、ヰノセントが販売する仏「オノレ」のほか、仏のウェア「モンサンミッシェル」、仏のスニーカー「スプリングコート」、英国のシューズ「バタフライツイスト」、英国のジュエリー「ダイナスティ」などが出展している。会場はホテルらしい空間と什器で統一、ホテルスタッフのようなウェアを着たスタッフなど演出にもこだわる。
 ブランドの特徴と商品、納期などの情報はボンサイガレージが運営するオンラインオーダーシステム「バイヤーショーケース」にもアップし、ブランドごとに閲覧できる。バイヤーは無料登録すれば情報を全て自由に見て、オンライン上で発注もできる。展示会は年2回開く。

印象的な鳥取のユニセックスブランド

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 鳥取市を拠点に活動する「ザ・ヒノキ」(info@the-hinoki.com)は、「コズミックワンダー」のパタンナーだった檜宗憲さん、ヒノキキギさんが手掛けるユニセックスブランド。性差も季節も感じさせないニュートラルな空気感を持ち、立ち上げから1年で全国の有力専門店に取り扱いが広がっている。
 「30歳を目前に控え、自分たちが好きなことを突き詰めたいと思った」と、宗憲さん。コズミックワンダーで得た「美しいものを極める姿勢、環境に配慮した物作り」を礎としながら、15年春夏物からブランドをスタートした。
  草木染めしたオーガニックコットンのTシャツ(9500円)や、洗いざらしのコットンリネンシャツ(1万9000円)など普遍的なアイテムながら、異素材を組み合わせたり、ポケットを二重にしたりと「使いやすいけれど印象に残るもの」を意識している。
4シーズンビジュアルはファッション写真をあまり撮っていなく、「表現を突き詰めている」写真家に依頼。16~17年秋冬物は、頭山ゆう紀氏が撮影した

シーズンビジュアルはファッション写真をあまり撮っていなく、「表現を突き詰めている」写真家に依頼。16~17年秋冬物は、頭山ゆう紀氏が撮影した
続きは繊研新聞で

ソーシャルでいこう

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 日本のファッションビジネス業界でも、サステイナビリティー(持続可能性)やソーシャルという言葉が一般的になってきた。大量生産・大量消費を前提にしたコスト優先の物作りの限界が指摘され、物質的な満足や価格の安さではなく、物の背景にあるストーリーや、誰かとつながっていること、何かの役に立つといった、心の満足を求める消費者が増えている。地球環境やそこに住む人々・動物に過度な負荷をかけない、格差社会の解決など、関わる多くの人が幸せになる社会を求める動きも強まってきた。ファッションを切り口に、自分なりの解決策を示しながら未来を切り開こうと、身の回りのことから等身大で活動している人やブランドを紹介する。


【1】雇用を創出 福祉作業所で作る釣り関連グッズ「カレント」
【2】循環の仕組み 害獣の鹿を活用するメリケンヘッドクォーターズ
【3】動物愛護と服 カスタムオーダーで服を作る「クチューム・バイ・ハー」
【4】フェアトレード ペルーのニット製品をフェアトレードで「マイテ」
【5】職人を育成 ベトナム・フエで作るアクセサリー「フーヒップ」
【6】エシカルに コーヒー豆の麻袋をバッグに「キッサコ」

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【1】雇用を創出
福祉作業所で作る釣り関連グッズ「カレント」

ブランドの成長が雇用を創出


 新たなフィッシングスタイルを提案する「カレント」は全ての商品に障害者の手が入る。福祉分野で働く、釣り好きの久田亮平代表がイラストレーターやデザイナーと組み、釣り関連のウェアやグッズを全国の福祉作業所と共に作り上げる。
全ての子供が笑顔に

 久田さんはNPO(非営利団体)法人サンフェイスグループの代表を務め、障害のある小中学生を対象にしたデイサービス、訪問授業、イベント企画などが本業。基本理念は「障害者も健常者も全ての子供が笑顔になれる」ことだ。
 カレントはブランドとして成長することで福祉作業所の雇用を創出し、持続させることが大きな役割だ。釣り業界以外の販路開拓を目指し、2年ほど前から東京のファッションの合同展にも出展している。商品にはシルクスクリーン印刷、木工、縫製、ステンドグラスなど福祉作業所それぞれの技術を活用する。例えば、ルアーに手織りの生地「さをり織り」を使ったり、縦糸に短いひもを1本ずつくくりつけて玄関マットの柄を織り上げたりする。そのほか、ストリート感あふれるグラフィックTシャツをはじめ、魚の皮を部分使いしたキャップ、米国のバスフィッシングブランドと協業したTシャツ、ヒノキの板をくり抜いたキーホルダーやオブジェなどを揃える。
手作業の温かさ

 「障害者が作る」ではなく、「手作業で丁寧に作る」ことを大切にし、大量生産の工業製品にはない温かみが特徴だ。カレントは商品開発力や生産背景を紹介することで、他のブランドと福祉作業所のつなぎ役にもなり得る。とくに「小ロットで長く付き合える新興ブランドとの取り組みが増えてほしい」。久保田代表は常に福祉作業所の明るい未来を願う。
 
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マブルファブ 楽しいパロディー商品

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 アクセサリーなどを手掛けるマブルファブ(東京)は服飾雑貨やウェアなどアイテムを拡大している=写真。
 オリジナル「マブルファブ」は12年、ポールダンサーや音楽、パフォーマーとして活躍する太島ノエミらが立ち上げたブランドで、「かわいくて、楽しい商品を増やしていきたい」としている。
 新しく企画したのはくちびるの柄が散りばめられたサガラ刺繍のポーチ(5800円)やミラー(4500円)。ミラーは表に「リザーブ」と表示されており、「何気なくテーブルに置いて、席を取ってますよ」と、ちょっとおしゃれなパロディー商品を増やしている。
 ウェアではラグジュアリーブランドのビンテージスカーフを使ったリメイク商品を企画した。アイテムはブラウスなどトップで、「1点1点が違う表情なので、個性が発揮できる」という。アクセサリーではモチーフに香水の瓶を使った。瓶には実際に香水が入れられ、実用性も兼ねている。価格はロングネックレスが2万円、ショート1万8000円。
 合同展などに出展し、「今後も多様な商品を作り、バイヤーの目に触れる機会を増やしたい」。
 アクセサリーなどを手掛けるマブルファブ(東京)は服飾雑貨やウェアなどアイテムを拡大している=写真。  オリジナル「マブルファブ」は12年、ポールダンサーや音楽、パフォーマーとして活躍する太島ノエミらが立ち上げたブランドで、「かわいくて、楽しい商品を増やしていきたい」としている。  新しく企画したのはくちびるの柄が散りばめられたサガラ刺繍のポーチ(5800円)やミラー(4500円)。ミラーは表に「リザーブ」と表示されており、「何気なくテーブルに置いて、席を取ってますよ」と、ちょっとおしゃれなパロディー商品を増やしている。  ウェアではラグジュアリーブランドのビンテージスカーフを使ったリメイク商品を企画した。アイテムはブラウスなどトップで、「1点1点が違う表情なので、個性が発揮できる」という。アクセサリーではモチーフに香水の瓶を使った。瓶には実際に香水が入れられ、実用性も兼ねている。価格はロングネックレスが2万円、ショート1万8000円。  合同展などに出展し、「今後も多様な商品を作り、バイヤーの目に触れる機会を増やしたい」。

仏発こだわりの横編みバスクシャツ

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《ブランドインフォーカス》「フィルーズダルボー」 
 「フィルーズダルボー」は、横編みのバスクシャツを主力とし、1世紀近い歴史を持つフランスのブランドだ。日本では輸入卸のエムジェイキュー(東京、高松宏行代表)が11年秋冬から販売をスタート。有力セレクトショップなどを中心に、約40軒の販売先があり、昨年より1割増えている状況だ。
 同ブランドの大きな特徴は、自社ですべての生産工程を管理し、ビンテージリブの横編みをベースにした服作りをずっとフランスで続けている点だ。バスクシャツで知られる他ブランドと比べ、横編みによる柔らかい肌触りが売りとなっている。フランスではボーダーシャツの発祥はブルターニュと言われており、そこで最も歴史の長いブランドが同ブランドとなっている。 
 定番商品は肩部分が二重に縫製されている。伸び止めや補強を兼ね備えたもので、フランスでパテント(特許)も取得している。フランス製で1万3800円。フランス海軍にもユニフォームを供給しているように、長く楽しめる品質を誇る。
 マーケットでの定着が進んできた日本では現在、メンズ向けが7割強を占めているが、レディスの扱い量も増えつつある。17年春夏物では、新たに著名ブランドとの協業商品が店頭に並ぶ。ほかにもフランス伝統の植物による染料「パステル」を使って、パステル職人による製品染めの提案も打ち出す。
ブランドの定番。横編みで、肩部分は二重に縫製されている

インドづくし、映画×衣料で販促

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 インド生産のアパレル製品を国内外で販売するルシファーリサーチ(神真美代表)は、映画「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)」を題材に、Bunkamuraル・シネマや「イエナ」と協業した販促を行う。また、業容拡大のため、インド製インテリアの輸入や製造、自社ウェブ販売やコンセプトショップの開設など計画中だ。
 同映画は名作「男と女」から50年目にクロード・ルルーシュ監督がインドを舞台に描いた恋愛映画で、9月3日から公開される。ルシファーリサーチの「ヌキテパ」が素材から縫製までインドで一貫生産している関係で、今回の協業が実現した。
 同ル・シネマでは9月4日、11日、18日、25日に来場者の中から各日抽選で合計22人にヌキテパのストールかバッグをプレゼントする。また3~30日に応募した来場客の中から抽選で秋冬物シルクドレス、ウールポンチョ、ショートブーツの3点セットを1人にプレゼントする。イエナでは8月1~18日まで自由が丘店など7店でヌキテパの期間限定コーナーを開いた。
 ルシファーリサーチは10年前にヌキテパを立ち上げ、現在販売先は国内ではセレクトショップ約40店、海外はアンソロポロジーやカリプソ、ABCカーペット&ホームなどに広げる。
 17年春夏物の小売価格はトップ1万~1万8000円、ドレス1万2000~2万4000円、パンツ7000~1万2000円、靴1万~1万8000円。
「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)」のカット

神代表の話
 インドの物作りはその歴史による独特な感性を感じるものであり、ヨーロッパのエッセンスを感じる部分もある。そんな感性にみせられてインドとのビジネスをスタートさせた ハンド刺繍やブロックプリントのような人の手が入る温かみのある物をベースに、今の時代に合わせた物作りを現地の人々と一緒に進化させてきた。ハンドメイドの物作りが改めて注目されている今、インドの物作りの重要性を再認識するとともに守っていきたい。

神代表(右)と来春夏物(左の女性)神代表(右)と来春夏物(左の女性)

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